【4月14日 AFP】(写真追加)ナイジェリアのイスラム過激派組織ボコ・ハラム(Boko Haram)が、同国北東部チボク(Chibok)の学校から2年前に集団拉致した276人の女子生徒のうち、15人の「生存証明」とする動画を送付していたことが分かった。米CNNテレビが13日、報じた。

 2014年4月14日に拉致された少女らのうち、57人は直後に脱走に成功したが、219人が依然として行方不明になっている。

 CNNによれば、ボコ・ハラムが送った動画には、黒いヒジャブ(イスラム教徒の女性が頭髪を覆うスカーフ)を着用した少女らが自分の名前と、チボクから拉致されたこと、撮影日は2015年12月25日であることを述べる様子が写っている。動画の撮影場所は特定されていない。

 動画を見た被害少女の母親3人のうち、2人は自分の娘が写っていることを確認したが、3人目の母親はわが子が写っていなかったために泣き崩れた。ただ3人はいずれも、動画に写っている少女ら全員の身元を確認。拉致事件が起きた日に自宅にいた同級生1人も、動画に友人が写っていることを確認したという。

 今回の動画は、ボコ・ハラムが2014年5月に拉致被害少女らの動画を公開して以来、少なくとも一部の女子生徒が今も生存していることを初めて具体的に示すものとなった。

 前回の動画では、約100人の女子生徒らがヒジャブを着用し、イスラム教の聖典コーラン(Koran)の一節を唱える様子が捉えられ、ボコ・ハラムの指導者であるアブバカル・シェカウ(Abubakar Shekau)容疑者が、少女らはイスラム教に改宗したと宣言していた。

 AFPが少女解放に向けた交渉を仲介する人物から入手した情報によると、今年1月、ボコ・ハラムはナイジェリア政府に接触し、「捕虜交換」についての協議を要請していた。

 ボコ・ハラムはさらに、黒いヒジャブをかぶった少女らの写真5枚を送付。親たちによって、写真に写っているのがチボクから拉致された少女であることが確認された。

 政府はこれを受け、少女らの生存を示すより具体的な証拠を動画で送るよう、ボコ・ハラムに要求していた。(c)AFP