【4月14日 AFP】(更新)米欧州軍(EUCOM)は13日、バルト海(Baltic Sea)の公海上で今週、ロシアのスホイ24(SU-24)型戦闘機が米駆逐艦ドナルド・クック(USS Donald Cook)への異常接近を繰り返したと発表した。

 ロシア機が異常接近を始めたのは11日。翌12日には、米艦の上空わずか9メートルにまで接近し、「攻撃を模倣」するように飛行したと、EUCOMは声明で述べている。

 EUCOMは、米艦に異常接近し飛行するロシア機の映像を公開。その中で、ある船員は「艦橋の下を飛んでいる」と語っており、ロシア機が米艦の最も高い部分より下を飛んでいたことが示唆されている。

 匿名で取材に応じた米国防当局高官によると、11日には戦闘機2機が米艦の上空約30メートルを20回通過した。12日には、ロシア軍の対潜型ヘリコプターが米艦周辺を7回飛行し、通過の際に写真も撮影。その直後、2機のスホイ24が低空で11回通過した。

 EUCOMは「危険で職業倫理に反するロシア機の飛行を深く懸念している」と表明。「こうした行動は、両国間の不必要な緊張の高まりにつながり、思わぬ誤算を引き起こす可能性がある」と非難した。

 ジョシュ・アーネスト(Josh Earnest)米大統領報道官は、露機の飛行は「国際空域や同海域において、近くで活動する際の軍の規範と完全に矛盾している」と批判。昨年から露機が異常接近する事件が繰り返し起こっているとし、安全に対する深刻な懸念を高めていると述べた。

 ちょうど2年前の2014年4月12日にも、スホイ24型機1機が黒海(Black Sea)で米ドナルド・クック艦の上空を低空で何度も飛行。米国防総省は当時、「挑発的な行動」と非難していた。

 一方、ロシア国防省は同日、同国の戦闘機が米艦の上空を飛行した際に安全でない行動を取ったと批判されていることに対し、ロシアの戦闘機は必要とされるすべての安全対策を実行したと反論した。

 同省は、試験飛行中だったスホイ24型機は「艦艇を確認したので、すべての安全策を順守して引き返した」と述べた上で、米ドナルド・クック艦は「ロシア海軍バルト艦隊基地の作戦上の近接地域」にいたと付け加えた。(c)AFP/Thomas WATKINS