【4月12日 AFP】CD販売よりもストリーミングを主とするデジタル配信が主流の地位を占める世界の音楽市場で、昨年の楽曲販売の売り上げが、インターネット時代の幕開け以降初めて大きく増加した。国際レコード産業連盟(IFPI)が12日、発表した。

 IFPIによると、2015年の世界の録音音源の収益は150億ドル(約1兆6200億円)で、前年比3.2%増だった。ストリーミングによる配信サービスへの加入が驚異的に伸びたことが要因だという。

 楽曲販売の収益が大幅に伸びたのは、レコード業界の前年比収益が4.8%だった1998年以来初めてだという。だが一方で、先進国でインターネットが主流となり、リスナーが合法・違法双方の音楽サイトを利用するようになった90年代後半以降、業界自体は3分の2程度の規模に縮小している。

 昨今はオンデマンドで音楽を無制限にインターネット配信するストリーミング・サービスが急速な成長を遂げるなど、衰退しているCD販売をデジタル配信がしのぐようになっている。IFPIでは、デジタル配信サービスについて最初に統計をとった2010年には世界中でわずか800万人だった加入者数が、現在は約6800万人に上っていると推計する。また昨年1年間だけでストリーミング配信の収益が45.2%成長し、アップルの「iTunes(アイチューンズ)」といったダウンロード方式のサイトからの収益に匹敵するようになっている。(c)AFP