【4月12日 AFP】国連は12日、ナイジェリアのイスラム過激派組織ボコ・ハラム(Boko Haram)によって自爆攻撃をさせられた子どもたちの数が昨年1年間で10倍以上に増えたとする報告書を発表した。

 今回の報告書は、ボコ・ハラムが同国北東部チボク(Chibok)の学校から女子生徒276人を集団拉致した事件からまもなく2年を迎える中、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)が発表。専門家らによると、多国籍軍の攻撃によって弱体化しているボコ・ハラムが現在、人出の多い市場やモスク、ボコ・ハラムの暴力から逃げてきた人々の避難キャンプを標的に、子どもたちを使った攻撃を仕掛けて恐怖を広めようとしているという。子どもたち、特にボコ・ハラムによる拉致や性的暴力を生き抜いた少女たちが破滅的な結末を迎えていると報告書は述べている。

 ユニセフによれば、ナイジェリア、カメルーン、チャド、ニジェールで「自爆攻撃」に関与した子どもたちの数は、昨年の1年間で大幅に増加し、2014年の4人から、2015年には44人となった。こうした攻撃に関与した子どもたちの75%以上が女子だという。

 ユニセフ西・中央アフリカ地域担当責任者のマニュエル・フォンテーヌ(Manuel Fontaine)氏は「はっきりさせなければいけないことは、これらの子どもたちは加害者ではなく、被害者だという点だ」と語っている。(c)AFP/Michel CARIOU