■憧れのドライバーは「いない」

 一方で小山と今橋は共に、女性がレースで不利になるのは体力面だと認めており、日々のトレーニングが欠かせないという。今橋は、「そもそも体の構造が男性とは違う。人一倍トレーニングしなければならない。ブレーキを踏む力、重いステアリングで、30分間乗り続ける腕の力も必要」と説明した。

 今橋は同時に、女性ドライバーが台頭すれば、周囲の目も変わるだろうとしており、「結果が出せなければ、周りから見ればただ乗っているだけになってしまうので、それだけでは飾り(のような存在)と言われても仕方がない。成績を残せば、こっちが本気でやっていることも分かってもらえると思います」と続けた。

 これまで、小林可夢偉(Kamui Kobayashi)をはじめとする9人の日本人ドライバーが、F1にフル参戦してきた。また、1976年に故レラ・ロンバルディ(Lella Lombardi)氏が出走したのを最後に、F1の決勝でマシンを駆る女性ドライバーは現れていない。

 小山と今橋は、三浦愛(Ai Miura)、昨年のニュルブルクリンク24時間レース(Nurburgring 24 Hours)に参戦した佐藤久実(Kumi Sato)、2002年のAF2000世界戦マカオGP(2002 Macau Grand Prix)で3位に入賞した井原慶子(Keiko Ihara)といった日本人女性ドライバーの後も追うことになる。 

 それでも憧れのドライバーについて「特にいない」という小山と今橋は、共にレースでの勝利しか頭にないと話しており、これからも大きな目標に挑み続ける。(c)AFP/Alastair HIMMER