【4月12日 AFP】女子サッカーW杯カナダ大会(FIFA Women's World Cup 2015)の優勝メンバーでもある、米国代表のベッキー・ソーアーブラン(Becky Sauerbrunn)は、女子チームが男子と同額の報酬を受け取れない場合、今夏のリオデジャネイロ五輪をボイコットする可能性もあると明かした。

 昨年のW杯で優勝トロフィーを掲げたほか、4年前のロンドン五輪でも金メダルを獲得した米女子代表の一人であるソーアーブランは、米スポーツ専門チャンネルESPNに対し、ボイコットの可能性も除外しないとコメントした。

 30歳のベテランDFであるソーアーブランは、報酬の男女格差に関する問題が今後も解決されない場合、チームでボイコットの可能性を話し合うかもしれないと説明している。

「ありえない話ではない。すべての権利を守り、どんな道もオープンにしておくつもりです。何も変わらなければ、そして進歩の兆候すら感じられなければ、そういう話し合いは必要になってくるでしょうね」

 ソーアーブランを含む米国代表チームの5人は先日、女子も男子と同額の報酬を受け取る権利があるとし、同国サッカー連盟(USSF)の対応を求めて、米雇用機会均等委員会(EEOC)に訴え出た。W杯カナダ大会で最優秀選手に輝いたカーリー・ロイド(Carli Lloyd)、ミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)、ホープ・ソロ(Hope Solo)、アレックス・モーガン(Alex Morgan)、そしてソーアーブランが、チームの総意を代表して署名したという。

 ソーアーブランは、法的な措置によって「平等なプレーに対する平等な報酬」が実現することを願っていると話した。

「報酬の面でも、リスペクトの面でも、この訴えによって状況が改善すればいいと思う」

「連盟に対し、私たちの価値と存在意義を明示するよう、プレッシャーを与える機会になればうれしいです」

 米女子代表が、昨年のW杯カナダ大会で優勝を飾ったのに対し、米男子代表は、一昨年のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)で決勝トーナメント1回戦敗退に終わっている。

 しかし、優勝した女子代表に支払われた賞金は、選手と関係者の分を合わせて200万ドル(約2億1500万円)。一方で、ベスト16に終わった男子代表には、900万ドル(約9億7000万円)が与えられた。(c)AFP