【4月11日 AFP】ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)を拠点とし、フランス・パリ(Paris)の同時テロ事件を実行したイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の傘下グループが、フランスでの新たな攻撃を計画していたものの、警察の捜査の手が迫ってきたため、標的をブリュッセルに変更していたことが分かった。ベルギーの検察当局が10日、明らかにした。

 ブリュッセルで先月22日に起きた連続テロでは、空港と地下鉄駅での自爆攻撃で32人が死亡。実行犯らは、昨年11月に130人が死亡したパリ同時テロ事件にも直接関与していたことを示す手がかりを残していた。

 ベルギー連邦検察は声明で、捜査の結果、「テロリストグループが当初、フランスで攻撃を起こす意図を持っていた」ことを示す証拠が多数見つかったと発表。実行犯らは捜査の進展の速さに驚き、攻撃の場をブリュッセルに移すことを決めたと説明した。

 検察当局はこれ以上の詳細を明らかにしていないが、ブリュッセルの連続テロは、パリ同時テロで指名手配されていたサラ・アブデスラム(Salah Abdeslam)容疑者が拘束された4日後に起きている。

 検察当局はまた、ブリュッセル国際空港(Brussels Airport)で自爆犯2人と一緒にいるところが映像に捉えられ、ベルギーで8日に身柄を拘束された通称「帽子の男」、モハメド・アブリニ(Mohamed Abrini)容疑者を「テロ殺人」の疑いで訴追したと発表。

 過激派の温床として知られるモレンビーク(Molenbeek)地区でアブデスラム容疑者と共に幼少期を過ごしていたアブリニ容疑者はこれに先立ち、ベルギー当局によるパリ同時テロの捜査を率いる判事からも同じ「テロ殺人」の疑いを掛けられていた。(c)AFP/Bryan McManus