【4月8日 AFP】米カリフォルニア(California)州北部のサクラメント(Sacramento)一帯で、強力な鎮痛成分が混入した違法薬物がまん延し、この数週間で10人が死亡、数十人が過剰摂取の症状を呈したことが分かった。

 当局者らによると、一帯で症例がみられ始めたのは3月末。路上で購入し、処方薬の鎮痛剤ノルコ(Norco)と思い込んで服用した白い錠剤が、実はヘロインの50倍、モルヒネの100倍も強力な鎮痛作用を持つフェンタニルが混入した薬物だった。

 6日までに10人が死亡し、38人が過剰摂取に陥った。被害者は16歳から67歳に及ぶ。

 サクラメント郡保健福祉局の広報担当者ローラ・マッカスランド(Laura McCasland)氏は、このような事態は初めてだと説明。被害者は服用から数分以内に気分が悪くなったと訴えており、中には意識を失ったり心停止に陥ったりした人もいたという。

 米疾病対策センター(CDC)によると、米国では2014年に処方薬としての鎮痛剤やヘロインを含むオピオイドの過剰摂取による死者が2万8000人を超え、過去最多を記録した。1日平均78人が死亡している計算になる。(c)AFP/Jocelyne ZABLIT