【4月6日 AFP】ブラジルのメディアは5日、同国出身の伝説的レーサーであるエマーソン・フィッティパルディ(Emerson Fittipaldi)氏が、数百万ドルの借金を抱え、年代物のマシンを含む財産が差し押さえられたと報じた。

 ブラジルのテレビ局レコール(Rede Record)は、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)とインディアナポリス500(Indianapolis 500)でそれぞれ2度チャンピオンになっている69歳のフィッティパルディ氏が、2700万レアル(約8億1000万円)に上る借金を抱え、60件を超える訴訟を起こされていると伝えている。

 銀行、建設業者などがフィッティパルディ氏の債権者で、そのうちの一人であるガソリンスタンドのオーナーは、180万円近くの支払いが滞っていると明かしている。

 広報担当者が出した声明の中で、フィッティパルディ氏は「財政難を隠したことは一度もなく、いつでも債権者と話し合う余地がある」と述べている。

 また、借金は全財産よりも小額であり、財政難は「ブラジルが直面している財政と政治の不安定な環境が原因」としている。

 関係者は、地元紙エスタド・ジ・サンパウロ(O Estado de Sao Paulo)に対し、フィッティパルディ氏の財政状況は、同氏が2012年から2014年にかけて、財政難のFIA世界耐久選手権(FIA World Endurance ChampionshipWEC)をブラジルに誘致したことにより悪化したと語ったという。

 フィッティパルディ氏が財政難に陥ったため、WECは昨年ブラジルから撤退し、その後、同氏の債権者は訴訟を起こしている。

 裁判所は先週、フィッティパルディ氏が1976-77シーズンにF1で使用したマシンと、1989年にインディ500で優勝したマシンを差し押さえている。(c)AFP