欧州難民危機、ローマ法王がレスボス島訪問へ
このニュースをシェア
【4月6日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王が欧州難民危機の最前線になっているギリシャのレスボス(Lesbos)島を訪問すると、ギリシャ政府筋が5日明らかにした。
ギリシャ政府筋は首都アテネ(Athens)で「ギリシャ政府はフランシスコ法王と東方正教会のコンスタンチノープル総主教バルトロメオス1世(Bartholomew I)を難民支援の重要な擁護者として歓迎する。レスボス島にはアレクシス・チプラス(Alexis Tsipras)首相も同行する」と述べ、具体的な日程は示さなかったものの訪問は今月14日または15日にも実現する可能性があると示唆した。
ローマ法王が「(移民流入と いう)甚大な人道問題に光を当てたい」という意向を示したことを受けて、東方正教会は先に法王のレスボス島への訪問計画を受け入れると発表していた。
■欧州の首脳らに批判
法王の同島訪問は、先月署名された欧州連合とトルコの合意に基づくギリシャからトルコへの移民の送還が駆け込みの難民申請の急増により行き詰まった中で明らかになった。
第2次世界大戦(World War II)以来最大の移民危機を緩和するため、トルコ経由でギリシャへ密航した移民をトルコに送り返す方針でトルコと合意した欧州の首脳らは人権団体から批判されている。ローマ法王が東方正教会の総主教と共にレスボス島を訪問することで、欧州の首脳らに対する圧力はさらに強まると予想される。
レスボス島は欧州での新生活を夢見る難民・移民らの主要な玄関口となっており、昨年は近くのトルコ沿岸から粗末なボートに乗って数十万人という人が渡ってきた。ローマ法王は以前から欧州移民危機について意見を表明しており、イースター(Easter、復活祭)での説教でも難民を「拒絶」することを非難していた。(c)AFP/Catherine BOITARD