【4月4日 AFP】自転車ロードレース、ツール・デ・フランドル(Tour des Flandres 2016)は3日、ベルギーのブリュージュ(Bruges)からアウデナールデ(Oudenaarde)までの255キロメートルで争われ、ティンコフ(Tinkoff)のペーター・サガン(Peter Sagan、スロバキア)が優勝し、同タイトルを、先日他界したベルギーの若手選手、アントワーヌ・デモワティエ(Antoine Demoitie)とダーン・ミングヘール(Daan Myngheer)にささげた。

 終盤の上りで独走態勢に入ったサガンは、残り13キロを逃げ切って6時間10分37秒の優勝タイムをたたき出すと、3度の優勝経験があるトレック・セガフレード(Trek Segafredo)のファビアン・カンチェラーラ(Fabian Cancellara、スイス)が2位、チーム・ロットNL・ユンボ(Team LottoNL-Jumbo)のセプ・ヴァンマルク(Sep Vanmarcke、ベルギー)が3位に入った。

 優勝したサガンは、「100キロを過ぎたあたりでちょっと問題があって、両輪を交換しなければなりませんでした。多くのクラッシュがありましたが、チームメートのはたらきには助けられました」とすると、「先週この世を去った2人のライダーに思いを巡らせています。本当に悲しいニュースでした。この勝利を彼らにささげます」と話した。

 デモワティエは先月27日、石畳のレースとして知られるヘント~ウェフェルヘム(Gent-Wevelgem 2016)に出場していたが、レース中に落車してバイクにひかれ、集中治療室(ICU)で息を引き取った。

 その翌日には、クリテリウム・アンテルナシオナル(Criterium International 2016)で心臓発作に見舞われ、昏睡状態になっていたミングヘールが、仏コルシカ(Corsica)島の病院で死去した。

 このレースでも、中盤までにミラノ~サンレモ(2016 Milan - San Remo)覇者のアルノー・デマール(Arnaud Demare、フランス)が地面にたたきつけられ途中棄権したほか、優勝候補とみられていたBMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のフレフ・ヴァンアフェルマート(Greg Van Avermaet、ベルギー)も、鎖骨を折ってリタイア。するとヴァンアフェルマートは、いら立ちのあまりヘルメットを投げつけて、涙を流しながら病院に運ばれた。(c)AFP/Barnaby CHESTERMAN