■キューバの変化に期待

 今回のストーンズ公演は、イデオロギーと経済の面で数十年間、国際社会から孤立していたキューバがようやくその状態から抜け出す表れだと多くのキューバ国民は口をそろえて言う。

 キューバ南部シエンフエゴス(Cienfuegos)からバスで訪れ、コンサートが始まる前に会場で眠ったというミゲル・ガルシア(Miguel Garcia)さん(62)は「泣きそうだよ」と語った。

「このコンサートは私たちを閉じ込めていた扉の鍵になるよ。キューバでいろいろなロックバンド、特に私たちが参加できなかった時代のロックバンドをもっと聴けるよう、ストーンズがその扉を開いてくれるんだ」

 ハバナでロックの生演奏が聴ける数少ないクラブの一つ「イエロー・サブマリン(Yellow Submarine)」を開いたエディー・エスコバル(Eddie Escobar)さん(45)は「ハバナでローリング・ストーンズのコンサートなんて夢のようだ」と言う。昔は、ストーンズやレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)、ディープ・パープル(Deep Purple)などの曲を聴ける米国の民間ラジオの周波数を人目に付かないように探したという。

「ロックミュージックが政治や経済、インターネットなどあらゆることの扉を開いてくれることを願っている。私たちは全てにおいて20年は遅れているから」

(c)AFP/Sebastian Smith with Rigoberto Diaz