【3月26日 AFP】イエメン南部アデン(Aden)の軍の検問所で25日、3度の自爆攻撃が起き、民間人10人を含む22人が死亡した。治安当局者が明らかにした。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。

 アデン西郊のシャアブ(Shaab)地区の検問所2か所で同時に2度の爆発が起き、その後、近くにあるサウジアラビア主導の連合軍の基地が銃撃を受けた。襲撃犯らは基地に向かって前進を試みたが、連合軍所属の攻撃ヘリコプターが周辺にいた襲撃犯らに向かって攻撃した。

 当局関係者によれば、3発目の爆破装置は救急車に仕掛けられ、アデン中心部のマンスーラ(Mansura)付近の検問所で爆発したという。

 IS系メディアのAmaqはネットで事件を報じ、「ISの戦闘員らが3つの殉教作戦とアデンの連合軍基地への攻撃を開始した」と述べた。

 ちょうど1年前の昨年3月26日、イエメンのアブドラボ・マンスール・ハディ(Abd-Rabbo Mansour Hadi)暫定大統領を支援するサウジアラビアをはじめとする連合軍が、イスラム教シーア派(Shiite)系反政府武装勢力フーシ派(Huthis)に対する空爆を開始した。

 ISと国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)はこの混乱に乗じてイエメン南部で勢力を伸ばし、ハディ暫定大統領派の軍部隊を中心に攻撃。アラブ連合は、アデンで活動するISやアルカイダの戦闘員らに対する攻撃を先週始めたばかりだった。

 今週22日には、米軍がイエメン南東部ハドラマウト(Hadramawt)州にあるアルカイダの訓練キャンプを空爆し、70人以上の戦闘員を殺害した。

 米政府は、国際的なネットワークを持つアルカイダの中でイエメンで活動する傘下組織は最も危険な存在であるとの見解を示している。(c)AFP