【3月25日 AFP】2015年の再生可能エネルギーへの総投資額が2860億ドル(約32兆3000億円)と過去最高に達し、発展途上国による投資が史上初めて過半数を占めたことが、24日に発表された国連(UN)の報告書で明らかになった。

 報告書によると、太陽光、風力、バイオ燃料などのよりクリーンなエネルギー技術への2004年以降の新規投資額が2兆3000億ドル(約260兆円)を超えたという。2004年当時の年間投資額は500億ドル(約5兆6000億円)足らずだった。

 報告書の共同執筆者の一人、国連環境計画(UNEP)のアヒム・シュタイナー(Achim Steiner)事務局長は「再生可能エネルギーはこれまで以上に、低炭素ライフスタイルの要となってきている」と話す。

「注目すべきは、2015年に史上初めて、発展途上国の再生可能エネルギー投資額が、先進国の投資額を上回ったことだ」

 この変化をけん引したのは、中国とインドだ。両国は、クリーンエネルギーに重点的に投資を行ってきた一方で、その巨大経済圏への電力供給は依然として、炭素排出量が大きい化石燃料に主に依存している。

 2015年の世界の発電能力については、再生可能エネルギーによる発電能力の増加分が、原子力、石炭、天然ガス、50メガワット以上の大型水力発電計画などを含むその他の技術を全て合わせた増加分を上回った。

 化石燃料の価格が最低水準に下落しているにもかかわらず、原子力を除くクリーンエネルギーによる発電能力は、石炭と天然ガスによる発電能力を100%以上も上回ったと、UNEPの年次報告書「再生可能エネルギー投資の世界的傾向2016(Global Trends in Renewable Energy Investment 2016)」は指摘している。

 報告書を共同発表した米調査ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(Bloomberg New Energy Finance)のマイケル・リーブライヒ(Michael Liebreich)会長は、再生可能エネルギーへの急速な移行は、とりわけ発展途上国と新興経済国で、「コストの急減と、国内での電力生産のメリットが輸入電力への依存を上回ったことに助けられている」と分析している。

 報告書によると、2015年の発電能力に関して、再生可能エネルギーが従来型のエネルギーを上回ったという事実は「構造改革が進んでいる」ことを示しているという。

 だが、昨年12月にフランスのパリ(Paris)で開かれた国連の気候変動会議で国際条約に明記された「カーボンニュートラルな(温室効果ガスを増加させない)」という世界経済の最終目標については、実現の見込みはまだ遠い。

 世界の全総電能力における、大規模水力発電計画を除いた再生可能エネルギーの割合は、近年連続して2桁の増加を示しているものの、依然として16%にとどまっている。実際の発電量の割合はさらに低く、辛うじて10%となっている。(c)AFP/Marlowe HOOD