【3月24日 AFP】シリアの親政府派部隊は23日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が掌握する中部の古代都市パルミラ(Palmyra)の奪還に向け、攻撃を開始する態勢を整えた。ロシア軍の空爆支援を受けた部隊が付近に展開しているという。

「砂漠の真珠」と称されるパルミラをISが制圧したのは昨年5月。それ以降、ISは国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録されている遺跡の建造物を爆破したり、数千年前にさかのぼる文化財を略奪したりしてきた。

 シリア治安当局筋によると、ロシア軍の空爆に支援された親政府派部隊が「パルミラから800メートル」の位置にいて、首都ダマスカス(Damascus)と西部にあるシリア第3の都市ホムス(Homs)につながる地区を掌握しているという。

 同筋はAFPの取材に「シリアの陸軍が現在、パルミラの(南部および南西の)入り口に展開しており、パルミラ解放の戦闘を始める準備をしている」とも明らかにした。

 在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は23日のこれより前、政府側部隊がパルミラの南2キロ、南西5キロの地点にいると発表していた。

 専門家らはパルミラについて、この都市を掌握すればシリア中央部からイラクとの国境に広がる広大な砂漠地帯を支配できることになるため、奪還に成功すればバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領にとって戦略的かつ象徴的な勝利になるとの見方を示している。(c)AFP/Rim Haddad