【3月25日 AFP】高速でゲレンデを滑走し、おどけた仕草ではしゃぐ13歳のエストニア人選手、ケリー・シリダル(Kelly Sildaru)は、五輪が必要としている若者たちによる革命のシンボルになった。

 フリースタイルスキーのスロープスタイル。シリダルが金属レールの上を滑り降り、さらなる障害物に向かって後ろ向きで滑走し、さらに10メートルのジャンプを見せて後ろ向きでゴールするとき、改革はまさに進行中だ。ハラハラ感満載のスロープスタイルは今や、冬季五輪の注目競技。5歳でスキージャンプを始めたシリダルは、今年1月、米コロラド(Colorado)州アスペン(Aspen)で開催された「Xゲームズ(X Games)」で最年少の金メダリストとなった。2018年平昌冬季五輪では「若い顔」となるだろう。

 2014年のソチ冬季五輪で国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は、初採用されたスロープスタイルのメダリストたちと会い「クールな面々」と表現した。バッハ会長は、もっと堅苦しく規律が求められるフェンシングの金メダリストだが、五輪に「クールさ」が必要なことを分かっている。

■若者が夢中の競技、種目を常に開拓

 古代の五輪は、スポンサーやテレビ視聴率、ツイッター(Twitter)などのことを気にする必要はなかった。だが、バッハ氏は気にかけないといけない。

 そのためにスロープスタイルや、15歳の米国人クロエ・キム(Chloe Kim)という新星が登場したスノーボードのパラレルスラロームがソチ冬季五輪で採用された。夏季五輪ではビーチバレーやその他の新しいスポーツが人気種目になっている。だからこそバッハ会長は、変化の早いXゲームズの世界や、五輪のスターとなりそうな新しい若い選手たちに注目しておく必要がある。