【3月23日 AFP】米音楽市場でのストリーミングによる売上高が2015年、全媒体中初めてトップとなった。22日に発表のデータで明らかになった。

 全米レコード協会(RIAA)のデータによると、音楽配信「スポティファイ(Spotify)」などの利用者増加に牽引される形で、2015年のストリーミングサービスによる総売上高は20億ドル(約2200億円)を超えた。

 同年、米アップル(Apple)の定額音楽配信サービス「Apple Music(アップルミュージック)」や米「Tidal」などが立ち上がる中、オンデマンド方式で制限なく音楽を楽しむことのできる有料ストリーミング配信による売上高は、前年比で50%以上増加した。

 世界最大の音楽市場である米国では2015年、ストリーミングサービスが占める割合は、その売上高において全媒体中34.3%となり、アップルの「iTunes(アイチューンズ)」などによるデジタルダウンロードを僅差で追い抜いた。

 だが、ストリーミングサービスが急成長する一方で、業界全体の昨年の売上高はわずか0.9%増の70億ドル(約7860億円)にとどまった。CDとデジタルダウンロードのシェアは共に縮小。CDアルバムの売り上げは17%減少している。

 RIAAは、特定の企業を名指しすることはなかったものの、広告収入で稼ぐ動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」と「スポティファイ」の無料サービスのあり方を問題視していることが、今回の発表でははっきりと見て取れた。

 音楽配信サービスの普及ペースは各国で異なっている。北欧諸国では急速に進んでいるが、世界の音楽市場規模で2位と3位の日本とドイツでは、CDの普及率がいまだに高い。(c)AFP/Shaun TANDON