【3月23日 AFP】欧州の心臓部に当たるベルギー・ブリュッセル(Brussels)を狙ったイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」による連続爆発事件を受け、世界各国の首脳は多数の死傷者を出した攻撃を一斉に非難するとともに、テロと戦う決意を改めて示した。

 欧州連合(EU)の加盟国・機関の首脳はブリュッセル国際空港(Brussels Airport)と、EUの中核機関が集まる場所から歩いてすぐの距離にある地下鉄駅で爆発が起きたことを受けて異例の共同声明を出し、「あらゆる必要な措置」を講じて民主主義を守りテロと戦っていくと表明した。

 爆発が発生した時間帯はラッシュアワーに当たり、死者は地下鉄駅で約20人、空港で14人に上っている。ブリュッセルでは数日前に昨年11月のフランス・パリ(Paris)同時テロの主犯格とされる容疑者が逮捕されたばかりだった。

 フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は「欧州全体が攻撃されている」として、「深刻な脅威に直面するなかで必要不可欠な対策」を講じるよう欧州各国に呼び掛けた。

 アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は「恐怖は無限だが、テロに打ち勝つ意志の強さも無限だ」と述べた。

 デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相は「テロリストには絶対に勝たせない」と言明。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、攻撃は「言語道断だ」と糾弾した。

 国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は「卑劣な行為」だと非難した。

 昨年10月、エジプト・シナイ半島(Sinai Peninsula)でロシア旅客機が機内に持ち込まれた爆弾で墜落し224人が死亡した事件があったロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領も、「野蛮な犯罪」だと非難した。

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は「多くの苦しみを生む見境のない暴力」だと述べた。

 エジプト・カイロ(Cairo)に本拠を置くイスラム教スンニ派(Sunni)の最高権威機関アズハル(Al-Azhar)は、今回の爆発事件は「イスラムの寛容な教義に反する」と表明した。(c)AFP/Bryan McManus