【3月23日 AFP】ギニアの保健当局は22日、同国南部で再発生したエボラ出血熱により、これまでに5人が死亡した恐れがあると発表した。このうち、ここ数日中に登録された2人については、エボラ感染を確認したという。

 ギニア政府のエボラ緊急対応ユニット広報担当、フォーデ・タス・シラ(Fode Tass Sylla)氏は、「エボラ出血熱が再発生して以降、これまでに5人の死者が記録されており、うち3人は感染と推定、別の2人は感染が確認されている」と述べた。

 シラ氏によると、エボラ出血熱で死亡と推定される3人の遺体は、検査を実施する前に埋葬されたという。犠牲者と接触があったとみられる961人に対しては今後、経過観察を行う予定と同氏は付け加えた。

 保健当局は先週、ギニア南部の農村コロパラ(Koropara)で死亡した夫婦について、エボラ出血熱が疑われると発表していた。妻は2月下旬に、夫が3月上旬にそれぞれ死亡している。

 これを受け、各保健当局ではエボラ出血熱に対する警戒態勢が敷かれたが、その後、同じ男性の第2夫人、そして8歳の子どもが、エボラ治療センターで相次いで死亡した。

 またシラ氏によると、ンゼレコレ(Nzerekore)市でも、エボラウイルスの陽性反応が出ていた男性が21日に死亡したという。

 死亡した子どもとその母親を治療するために、18日にギニア南部でエボラ出血熱専門の診療施設を再開した医療支援団体、国際医療活動連盟(ALIMA)はAFPの取材に、同じく陽性反応が出ていた母親への治療を現在も続けていると語った。

 現在、エボラの犠牲者らとの接触によって感染した恐れのある数百人について調査が進められている。シラ氏によると、調査の重点は「(犠牲者らの)埋葬に誰が来たか、見舞いに誰が来たか、死体を誰が洗ったか」に置かれているという。

 国連(UN)の世界保健機関(WHO)は18日、ギニアの保健当局から、死亡した夫婦の家族が住むコロパラ村でエボラ出血熱の兆候がみられるとの通報を16日に受けたことを発表した。ただ、通報を受け取った翌17日の時点で、致死性エボラウイルスが再び出現する可能性が依然として残っているとの警告を発していた。エボラウイルスは2013年12月以来、1万1300人の命を奪っている。

 ギニア政府は、夫婦の家族の住居周辺に隔離エリアを設置するとともに、同地域での他の潜在的なエボラ患者の戸別捜索を実施すると発表した。

 コロパラ村は、今回の大流行で2013年12月に最初のエボラ出血熱患者が登録された場所と同じ地域にある。(c)AFP