【3月21日 AFP】英国が欧州連合(EU)を離脱した場合、英経済は「深刻なショック」に見舞われ、約100万人の雇用が失われる恐れがある――こんな報告書を20日、英経営者団体「英国産業連盟(CBI)」が発表した。

 英国は6月23日にEU残留か離脱かを問う国民投票を実施する。世論調査の結果は五分五分で、国民の20%ほどが態度を決めかねている状況だ。

 こうした中、「Brexit(ブレグジット)」の呼称で争点となっているEU離脱の選択肢について、CBIは、現実となった場合、2020年までに英国は1000億ポンド(約16兆円)の経済損失を被ると分析結果を示した。これは、英国の国内総生産(GDP)の5%に相当する。

 雇用の喪失も95万人に上り、失業率もEUに残留した場合と比べて2~3%上昇するという。

 しかし、EU離脱推進派の団体「Vote Leave(離脱に投票しよう)」はこの結果を一蹴。同団体を率いるマシュー・エリオット(Matthew Elliott)氏は英国放送協会(BBC)に対し、CBIの調査結果は「歪曲(わいきょく)された」ものであり、EU離脱こそが「唯一の安全な選択肢」だと主張した。(c)AFP