【3月21日 AFP】欧州に殺到する移民・難民を抑制するためギリシャに密航してきた移民を全てトルコに送還するとした欧州連合(EU)とトルコの歴史的合意が、20日午前0時に発効した。しかし、ギリシャの島々には同日も、大勢の移民らを乗せた粗末なボートが次々と到着している。

 ギリシャ・レスボス(Lesbos)島には、20日正午までに約800人の移民らが到着。シリア難民2人が到着後に心臓発作で死亡した。また、ギリシャ沿岸警備隊によるとロー(Ro)島沖で、推定1~2歳の女児2人が水死した遺体で見つかった。さらに、赤新月社(Red Crescent)によるとリビア沖でも9人が死亡、数百人が救助された。

 EUとトルコの合意に基づき、到着した移民らは全員がトルコに強制送還される見通しだ。批判もある今回の合意だが、移民たちに命の危険を伴う航海をさせないという目的もある。ただ、ギリシャ経由のルートが閉ざされることで、イタリアを目指して地中海(Mediterranean)を横断するさらに危険な航路に挑む人々が今後増える恐れがある。(c)AFP/Marina Rafenberg、Catherine Boitard