■ジカウイルス

 臨床試験を最後まで続けた41人のうち、ワクチンを接種された21人は誰も、デング熱の兆候を何一つ示さなかった。

 一方でプラセボ群の20人は全員、血液中にデングウイルスが存在していた。そのうちの80%に発疹がみられ、20%は白血球数の減少を示した。これらは、体が感染と闘っていることを示唆している。

 より大規模なTV003の第3相臨床試験が先月、ブラジルで開始された。同国では現在、TV003を含む数種類のワクチン候補の臨床試験が進められている。

 今回の研究成果については、ジカウイルスに対するワクチン開発の助けになる可能性があると研究チームは指摘している。このウイルスは、主にブラジルで急増している出生異常にも関連している恐れがある。

 米国の主要な保健衛生専門家らは、蚊媒介性感染症のジカ熱に対するワクチンの開発には数年を要するとの見解を示している。

 だが、ダービン准教授は、「今回の成果が、ワクチン開発が実際に加速する手助けとなり、また他のフラビウイルス属にも適用可能なツールとなるとわれわれは考えている」コメント。「われわれはこれを、ジカウイルスに対して実現したい。ジカ熱ワクチンは今、緊急に必要とされている」と述べた。(c)AFP/Kerry SHERIDAN