【3月16日 AFP】サッカーフランス代表のカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)が、法的には代表復帰が可能になったことについて、同国のマニュエル・バルス(Manuel Valls)首相は15日、それでも復帰を認めるべきではないと話した。

 ベンゼマは昨年、同僚のマチュー・ヴァルブエナ(Mathieu Valbuena)を「セックステープ」で脅迫したとして起訴されているが、11日に法的規制が解かれ、代表復帰と欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)出場へ大きく前進した。

 フランスのラジオ局RMCの番組に出演したバルス首相は、復帰は「フランスサッカー連盟(FFF)と監督が決めるべきこと」としながらも、「私の見解では、ベンゼマは代表入りの条件を満たしていない。彼はまだ捜査対象なのだから」と話した。

「偉大なスポーツマンは、若者の模範でなければならない。(サッカーは)われわれの財産で、アマチュアファンがちょっと集まる程度のスポーツとはわけが違う。そうである以上、慎重になるべきだ。あらゆる行動や決断が、大きな影響を及ぼすのだから」

 この件については、同国のパトリック・カネール(Patrick Kanner)都市・青少年・スポーツ相も、バルス首相と同様、慎重を期すべきとの姿勢を示している。

 当のベンゼマは、バルス首相の発言の後に自身のツイッター(Twitter)を更新し、「僕は12年間のプロ生活で、541試合に出場してレッドカードは一枚ももらっていない。イエローも11枚だ!!!それが模範になれだって???」と不満をあらわにした。

 代表のディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督は、ベンゼマの復帰を希望すると明言している。現役選手としてフランス代表の最多得点記録を持つベンゼマは、昨年12月、FFFから今後の招集を無期限で見送ると言い渡されている。(c)AFP