【3月16日 AFP】女子テニス選手のマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)が、1月に行われた全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2016)のドーピング検査で違反があったと公表したことを受け、国連(UN)は同選手について、国連開発計画(UNDP)の親善大使としての役割を停止すると発表した。

 広報担当者は、「チェルノブイリ原発事故の復興をはじめとする活動に協力してくれたマリア・シャラポワ選手に対し、UNDPは今でも感謝しています」としたものの、「シャラポワ選手が先日行った発表を受け、われわれは先週、事実関係が明らかになるまで、親善大使としての役割と計画されていた活動を停止する決定をしました」と続けた。

 1986年に起きたチェルノブイリ(Chernobyl)の原発事故の復興支援に協力し、9年前にUNDPの親善大使に就任したシャラポワは、両親の故郷であるベラルーシを何度も訪問し、事故の影響が残る地域で暮らす子どものために10万ドル(約1130万円)を寄付するなどしていた。シャラポワの家族は、原発事故の後にベラルーシからロシアに移住している。

 元女王シャラポワのドーピング違反公表を受け、スポンサーを務める米スポーツ用品大手のナイキ(Nike)、独高級スポーツカーメーカーのポルシェ(Porsche)、そしてスイスの時計メーカーであるタグ・ホイヤー(TAG Heuer)は、それぞれ契約を見直している。(c)AFP