【3月16日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)と世界反ドーピング機関(WADA)は15日、クリーンな選手を守るプログラムの一環として、2008年の北京五輪、2012年のロンドン五輪で提出されたドーピング検査のサンプルを再分析すると発表した。

 再分析は、一部のサンプルを対象に、8月のリオデジャネイロ五輪までに実施され、IOCの医療部門と科学部門を統括するリチャード・バジェット(Richard Budgett)氏は、結果が「数週間から数か月後」に明らかになるとしている。

 IOCによれば、数百件のサンプルの再分析はすでに始まっており、WADAと共に「対象とする競技と国を特定し、双方の合意の下で」行われているという。

「北京、ロンドン両大会に出場し、リオ五輪にも出場する可能性が高い選手や、2008年または2012年から現在までの間に進歩があった手法で分析されたサンプルなどが、再分析の対象となる」

 スイス・ローザンヌ(Lausanne)で開催されたWADAのシンポジウムで、再分析について明らかにしたバジェット氏は、「プログラムの目的は、北京またはロンドンで違反を犯したにもかかわらず、当時は分析手法が拙かったばかりに処罰を免れた選手が、リオ五輪に出場しないようにすることだ」と話した。

「そのためには、リオ五輪の前に違反を把握し、阻止するのがベストだと判断した。五輪開幕前のこの時期に、プログラムと実行委員会を立ち上げたのはそれが理由だ」

 実行委員会はWADAが運営し、オーストラリア、デンマーク、日本、南アフリカ、英国、米国の反ドーピング機関と共に情報収集を行う。そして検査対象リストに登録すべき選手、IOCが五輪開催期間中に検査すべき選手を特定する。(c)AFP