【3月15日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は14日、シリアに派遣しているロシア軍部隊を翌15日から順次撤退させるよう国防省に命じた。

 プーチン大統領はセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相に対し、「国防省と軍に課された任務は総じて完遂された。従って、軍の主力部隊のシリアからの撤退を明日、開始するよう命じる」と述べた。この発言はテレビで放映された。

 クレムリンの発表によると、プーチン大統領は長年の同盟相手であるシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に電話をかけ、この突然の決定を伝えたという。

これにより、昨年9月に始まったロシアによるシリア介入は大部分が終了するとみられる。ただし、露・シリア両大統領は、シリア国内の空軍施設1か所をロシアが引き続き管理運営し、シリア停戦の進展状況の監視を支援することで合意した。

 先月27日に発効した一時停戦は、紛争当事者の双方から違反を指摘する声が上がってはいるものの、おおむね維持されており、この間に包囲された場所に暮らす約15万人に救援物資が届けられている。14日にはスイス・ジュネーブ(Geneva)で和平協議も再開された。
しかし、アサド大統領の去就をめぐって双方が譲らず、突破口が開かれる見込みは依然薄い。プーチン大統領は、ロシア軍撤退の決定が紛争の全当事者に向けた「良い信号」となればよいとの期待を表明した。(c)AFP/Max DELANY