【3月15日 AFP】トルコの首都アンカラ(Ankara)で発生し35人が死亡した自動車爆弾による自爆攻撃について、同国政府は14日、クルド人の反政府武装組織「クルド労働者党(PKK)」の犯行とみられるとの見解を示した。同国では大規模な攻撃が相次いでおり、治安の悪化を危惧する声が強まっている。

 首都中心部の混み合った路上で13日夜に発生したこの攻撃では、車やバスが焼け焦げ、120人以上が負傷。当局によると、爆発で死亡した37人のうち35人が犠牲者と確認され、残る2人のうち一人は自爆した女、もう一人は共犯の男だった。

 事件に関する犯行声明は出されていないが、アフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)首相は、捜査を通じてPKKの関与を示す「重大でほぼ確実な証拠」が得られたと発表。「この国を守るために必要となるあらゆる措置を講じる」と宣言した。

 同首相によると、事件に絡み当局は11人の身柄を拘束。また事件翌日の14日、トルコ軍はイラク北部のPKK拠点に対する空爆を実施した。

 首都が大規模な爆弾攻撃に見舞われたのは、過去1か月で2度目。昨年11月に行われた総選挙で、トルコを「混沌(こんとん)」から救い出すと公約して勝利した公正発展党(AKP)を率いるレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、面目をつぶされた格好となっている。

 アンカラでは先月、今回と酷似した手口で軍関係者らを標的とした車爆弾攻撃が発生し、29人が犠牲になった。この事件については、PKKと関わりがあるとされるクルド人武装組織「クルド解放のタカ(TAK)」が、政府軍が同国南東部で行った軍事作戦への報復だったとして犯行を認め、今後も観光名所などを標的とした攻撃を継続すると警告していた。

 トルコでは昨年半ば以降、大規模な攻撃が相次いでおり、その大半はイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の犯行とされている。アンカラでは昨年10月にも連続自爆攻撃が起き103人が死亡しており、今回の事件を受け治安への不安はいっそう強まるものとみられる。(c)AFP/Fulya OZERKAN