【3月14日 AFP】ドイツで13日、移民・難民の大量流入が問題化して以降では最大規模となる州議会選挙が3州で行われ、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相率いる「キリスト教民主同盟(CDU)」が大幅に議席を減らした一方、移民受け入れに反対する新興の右派ポピュリスト政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が有権者の憤まんをすくい上げて躍進した。

 今回の州議会選は、戦火を逃れてきた人々の受け入れを表明したメルケル首相の寛容な移民・難民政策に対する事実上の国民投票とみなされていた。

 CDUは2州で敗北したうえ、これまで地盤としてきた南西部バーデン・ビュルテンベルク(Baden-Wuerttemberg)州でも得票率が過去最低の27%に落ち込み、第1党の座を「緑の党」に譲り渡した。

 一方、ドイツ入国を試みる不法移民に対して警察は発砲してもかまわないなどの発言で物議を醸してきたAfDは2桁台の支持を獲得し、3州全てで議席を確保。特に東部ザクセン・アンハルト(Saxony-Anhalt)州では第2党の座に躍り出た。2013年に欧州連合(EU)に批判的な政党として立ち上げられたAfDは、その後、移民受け入れ反対を掲げる政党へと変化し、これまでは旧東ドイツでのみ支持を広げていた。(c)AFP/Pauline CURTET、Marion PAYET