■「コンピューターに美を植え付けた」

 特定のタスクを処理するのではなく一般的で多目的の知能──さまざまなインプットに基づいた人間の論理的思考や自己学習に似た知能──を開発することがAIの究極の目標だ。

 囲碁は3000年前に中国で生まれ、2人のプレーヤーが19の路盤で黒と白の碁石を使ってより多くの領土を取り囲むことを競うボードゲームだが、グーグルの開発者が目を付けたのは、より「人間らしい」手法が単なる計算能力を上回るということだった。

 アルファ碁は、より人間らしい方法でデータを処理する2つの「多層構造のニューラルネットワーク」で、人間の棋士であれば直感的に無意味だと分かる無数の指し手を排除し、また対局の経験から学習して自らを改善するようにできている。

 韓国ソウルでアルファ碁の勝利を見届けたグーグルの共同創業者セルゲイ・ブリン(Sergey Brin)氏は優れた棋士の碁を見るのは「美を見るのに似ている」と述べ、「コンピューターにこのような美を植え付けることができたということに非常に興奮している」と語った。(c)AFP/Park Chan-Kyong