【3月11日 AFP】米国防総省は10日、米主導の有志国連合が、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の化学兵器施設に対する初の空爆を実施したと発表した。先に拘束したIS幹部から得た情報に基づく作戦だったとしている。

 同省のピーター・クック(Peter Cook)報道官は、ISの化学兵器専門家とされるこの工作員の名前をスレイマン・ダウド・バッカール(Sulayman Dawud al-Bakkar)、通称アブ・ダウド(Abu Dawud)と明かし、同工作員からの情報に基づいて複数の空爆を成功させたとしている。

 米特殊部隊は先月、同工作員の身柄を拘束。尋問を行った後、10日に身柄を移送してイラクの拘束下に置いた。同工作員の拘束は、イラクとシリアのISとの戦いに多大な恩恵をもたらすものとみられ、クック報道官もほぼ即座に成果に直結したと評価している。

 同報道官は「この工作員を通じて、有志国連合はISIL(ISの別称)の化学兵器の施設や製造状況、さらに関係者らの詳細を知ることができた」「この情報に基づいて、有志国連合は複数の空爆を行い、ISILの化学兵器製造能力を阻害し、低下させた。今後も引き続きわれわれの作戦に役立つはずだ」と述べた。(c)AFP