【3月10日 AFP】ドーピング違反を告白してテニス界を揺るがせたマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)について、同選手の弁護士は寛大な処分が下されることを確信している。

 四大大会(グランドスラム)のシングルスを5度制し、世界で最も裕福な女性アスリートとして知られるシャラポワは7日、自身の検体が禁止薬物のメルドニウム(Meldonium)に陽性反応を示したことを認めた。

 28歳のシャラポワは、最大で4年間の出場停止処分が科される可能性があり、そうなれば2億ドル(約226億円)と推測される個人資産をもたらしているキャリアが終わりを迎えることになりかねない。

 問題の薬物について2006年から摂取していたと認めたものの、今年1月から禁止薬物のリストに追加されていたことは知らなかったとして、シャラポワの弁護士を務めるジョン・J・ハガティ(John J. Haggerty)氏は、同選手には情状酌量の余地が大いにあると強調。英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)に対して「マリアと私は、あらゆる選択肢を模索している」とコメントした。

 その一つとして、治療目的使用の適用措置(Therapeutic Use Exemption、TUE)を主張する選択肢がある。

 禁止薬物を摂取する際には、通常それに必要な症状が求められるが、シャラポワが10年にわたりメルドニウムを使用していたのは、この物質が世界反ドーピング機関(WADA)の禁止薬物リストに記載される以前からのことであり、時間をさかのぼって違反行為に当たらないと判断される根拠はあるとも考えられる。

 シャラポワはメルドニウムの摂取を始めたきっかけについて、度重なる体調不良、心電図の異常、そして遺伝的な糖尿病などいくつもの症状を列挙した。

 ハガティ氏も9日、「マリアが利益のために意図的に行ったという証拠は何もない」と補足し、「従って、ただちに(処分)は最大2年間に軽減されることになる。酌量の余地は十分にあり、2年間よりもさらに短縮され、劇的に軽減されると確信している」と自信をみせている。

「医師の診断と治療勧告には整合性があり、医学的に必要なことだった」と主張したハガティ氏はさらに、「マリアの医療記録は、これから国際テニス連盟(ITF)に提出されることになっており、治療が不可欠で、医師の勧告に沿ったものであることが判明するはず」と明かした。

「それにマリアの服用量は、運動能力の向上につながるミルドロネート(Mildronate、メルドニウムの別名)の量よりも、はるかに少ないものだった」

(c)AFP