【3月9日 AFP】(更新、写真追加)ビートルズ(The Beatles)を世界的なバンドに押し上げ、「5人目のビートルズ」と呼ばれた伝説的な英国人音楽プロデューサー、ジョージ・マーティン(George Martin)氏が死去した。90歳だった。ビートルズのドラマーを務めたリンゴ・スター(Ringo Starr)氏が9日、明らかにした。

 スター氏はツイッター(Twitter)に、「ジョージ・マーティンに神のご加護を。愛と平安を(夫人の)ジュディ(Judy)とジョージの家族に。愛を込めてリンゴと(妻の)バーバラ(Barbara)より。ジョージがいなくなって寂しくなるよ」と投稿し、哀悼の意を表した。

 一方、ビートルズの元メンバー、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)氏は自らの公式ウェブサイトで「親愛なるジョージ・マーティンの死去の知らせを聞いてとても悲しかった」と述べ、「(マーティン氏は)本物のジェントルマンで、私にとって第二の父親のようだった」と追悼。「もし誰かが5人目のビートルズという称号を得るとしたら、それはジョージだった」と投稿した。

 マーティン氏の遺族も、同氏が8日に自宅で亡くなったと認め、「皆さんからいただいた励ましの思い、祈り、そしてメッセージ」に感謝すると述べた。

 1926年1月3日、英ロンドン(London)北部で大工の息子として誕生した同氏は、10代の頃にピアノを習い、セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninov)のような作曲家、演奏家になりたいと夢見た。

 第2次世界大戦(World War II)に従軍後、同氏はギルドホール音楽演劇学校(Guildhall School of Music)に入学するとともに、ロンドン周辺のバーやクラブでオーボエの演奏を始めた。

 その後BBCを経て、音楽レーベルEMIの傘下にあるパーロフォン(Parlophone)に入社。1962年にビートルズを初めて耳にした際には、彼らが秘める可能性を即座に見抜いた。

 同氏は音楽誌「メロディー・メーカー(Melody Maker)」とのインタビューで、「私は彼ら(ビートルズ)が他の何よりも人間として好きだった」と語っていた。(c)AFP