【3月8日 AFP】トルコは7日、ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で欧州連合(EU)28か国と開いた移民危機をめぐる首脳会議で、EUとの協力の見返りとして、支援金を従来の30億ユーロ(約3700億円)から倍増させることを要求した。

 トルコのアフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)首相が土壇場で行った提案にはこの他、トルコがギリシャの島々からシリア難民1人を引き取るごとにEUがトルコからシリア難民1人を受け入れるという「難民交換」や、EUがトルコ国民に対する査証(ビザ)免除措置の導入を今年6月に前倒しすること、トルコのEU加盟手続きの迅速化も含まれている。

 第2次世界大戦(World War II)以来最大の移民危機への対応でトルコの協力を得るためにEUが支払う代価は、増加の一途をたどっている。ただギリシャの島々を目指す人々の主な出発地がトルコである以上、トルコに頼る以外の選択肢はほとんどないのが実情だ。

 EUは昨年11月、トルコの今年と来年分の協力の見返りに30億ユーロの資金援助を行うことに合意していたが、4か月後の現在もまだ支払われていない。トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は7日、首都アンカラ(Ankara)で行った演説で支払いの遅れについてEUを批判した。

 ブリュッセルでの首脳会議を終えたルクセンブルクのグザビエ・ベッテル(Xavier Bettel)首相は8日、来週末のEU首脳会議までにトルコ側と妥結することを目指し、作業を進めていくことで、EU側が同意したことを明らかにした。(c)AFP