【3月3日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は2日、今夏行われるリオデジャネイロ五輪と4年後の東京五輪の招致活動に絡む汚職疑惑を受け、「これまでのところ何の証拠もない」と強調した。

 国際陸上競技連盟(IAAF)のラミーヌ・ディアック(Lamine Diack)元会長に対して、フランス当局が行っている汚職疑惑の捜査は、リオ五輪と2020年東京五輪の招致活動にまで範囲が広がっている。

 バッハ会長は、IOCの理事会が開かれていたスイス・ローザンヌ(Lausanne)で、「汚職という悪行に動じない政府、機関、組織は存在しない」と話すと、「今回のケースでは、最初にうわさを耳にしたときから、世界反ドーピング機関(WADA)とフランス当局に必要な情報の提供を求めている。証拠は、これまで一切もたらされていない」と明かした。

 フランス当局はこれに先立ち、リオ五輪と東京五輪の招致活動に絡む汚職容疑に関して、昨年12月に捜査を開始したことを認めている。これは、IAAFのディアック元会長と、息子のパパ・マッサタ・ディアック(Papa Massata Diack)氏に対する捜査の一環として行われている。

 バッハ会長は、「ディアック氏(の容疑)に関する証拠を受け取った翌日、彼のIOC名誉委員の資格を停止にした」と補足。ディアック氏も、処分された翌日にIOCの名誉委員を辞任していた。(c)AFP