【3月3日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は2日午前(日本時間3日未明)、通算4度目となる核実験とロケット打ち上げを強行した北朝鮮に対する制裁決議を、全会一致で採択した。北朝鮮に対する制裁としてはかつてなく厳しい内容となった。

 決議は米国が起草し、北朝鮮唯一の同盟国である中国も支持。北朝鮮の輸出品を標的とし、同国に出入りする全ての貨物の検査を各国に義務付けるなど、前例のない措置が含まれている。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は声明で今回の採択を歓迎。「国際社会が一つの声となって平壌(Pyongyang)に単純なメッセージを送った。それは、北朝鮮は(核やミサイルの開発という)これらの危険な事業を放棄し、自国民のためにより良い道を選択しなければならないというものだ」と述べた。

 決議では北朝鮮からの石炭や鉄、鉄鉱石、金、チタン、レアアースの輸出を禁止もしくは厳しく制限したほか、北朝鮮へのロケット燃料など航空用燃料の輸出も禁止。金融規制も一段と厳しくした。

 各国政府は、北朝鮮向けの禁止品目の積載が疑われる航空機の飛行禁止も義務付けられた。さらに小火器の販売を禁じて武器禁輸を強化。北朝鮮向けの違法品目の積載が疑われる船舶の出港も禁止した。

 国連加盟国は決議に従い、密輸などの違法活動に関わった北朝鮮外交官を追放する。

 日本の吉川元偉(Yoshikawa Motohide)国連大使は、今回の決議は画期的だと評価する一方で、制裁自体が最終的な目標なのではないとも強調した。

 中国の劉結一(Liu Jieyi)国連大使は、制裁は「新たな出発点」、北朝鮮の核開発の放棄に向けた新たな対話への「足掛かり」になる必要があるとの認識を示した。

 国連の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は「安保理によるこの断固たる対応が挑発のサイクルに終止符を打ち、対話の再開につながるべきだ」と述べた。(c)AFP/Carole LANDRY