【3月2日 AFP】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)で、カーナビアプリを使って車両で移動していたイスラエル兵2人が誤ってパレスチナ難民キャンプ内に入り、パレスチナ人と衝突が起き、パレスチナ人1人が死亡したほか、双方で計15人が負傷した。当局が1日、発表した。

 兵士2人は車両で移動していたところ、エルサレム(Jerusalem)とラマラ(Ramallah)の中間辺りにあるカランディア(Qalandiya)難民キャンプの敷地内に進入。石や火炎瓶を投げつけられたという。

 2人が殺害されたり拉致されたりする危険があったとして、イスラエル側は同キャンプに救援部隊を急きょ派遣した。だがこの派遣が、数時間におよぶさらなる衝突を引き起こした。イスラエル警察の説明によると、パレスチナ人たちは救援部隊に対して手製の爆発物を投げつけたり、発砲するなどしたりしたという。

 兵士2人はその後、無事救出された。

 パレスチナ保健省によると、この衝突でパレスチナ人の男子学生(22)が死亡し、10人が負傷した。またイスラエルの警察当局の発表では、イスラエルの国境警備隊の5人が負傷し、うち1人が重傷だという。

 イスラエルのモシェ・ヤアロン(Moshe Yaalon)国防相は、2人の兵士は、イスラエルで開発され現在は米グーグル(Google)が保有するカーナビアプリ「Waze(ウェイズ)」を使っていたようだと説明した。イスラエル軍は今回の問題を「調査中」だとしている。

 ウェイズ側は、「危険エリア」を知らせる機能がオフにされていたほか、車両は推奨された経路からそれていたとして、責任は兵士たち自身にあるとの見解を示している。(c)AFP/Shatha Yaish