【3月2日 AFP】ベトナムが過去1世紀近くの間で最悪の干ばつに見舞われていると専門家が29日、明らかにした。とりわけ被害が大きいのは、南部メコンデルタ(Mekong Delta)地域で、塩害による被害も出ている。

 同国農業省の当局者はAFPの取材に対し、「メコン川(Mekong River)の水位は1926年以降、最低水準にまで下がり、最悪の干ばつと塩害を引き起こしている」と述べた。

 低平地で農業が盛んなメコン地域は、2000万人以上が居住するベトナムの米蔵だ。水不足は、近隣諸国のカンボジア、ラオス、タイおよびミャンマーの農業にも大きな影響をもたらしている。

 科学者らは、現在の干ばつの原因について、現在観測されている記録史上最大級のエルニーニョ(El Nino)現象にあるとしている。

 メコン地域にあるカントー大学(Can Tho University)の研究者によると、同デルタの耕作地220万ヘクタールの40~50%が塩害の被害を受けているという。

 ベトナムは米とコーヒーの世界第2位の輸出国だが、これらは特に干ばつに弱い。(c)AFP