【3月2日 AFP】国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」の前指導者で、2011年に米特殊部隊の急襲作戦により殺害されたウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者が、生前スーダンに隠し持っていた資産2900万ドル(約33億円)の大半をジハード(聖戦)の資金として使うよう希望していたことが、1日に公開された手書きの遺言状から明らかになった。

 これは、米海軍の特殊部隊「シールズ(SEALs)」が2011年5月2日にパキスタン・アボタバード(Abbottabad)に潜伏していたビンラディン容疑者を急襲した際に押収した書類のうち、新たに機密解除され、米国家情報長官室(ODNI)が公開した文書数十件のうちの一つ。罫線入りの1枚の紙にアラビア語でつづられ、本人の署名もついている。

 ODNIはこの文書について、ビンラディン容疑者がスーダンにある資産について記した遺言だとしている。ODNIの翻訳によると、遺言状には、同容疑者がスーダンに約2900万ドルの資産を持っており、うち1200万ドルは兄弟から受け取ったものだと書かれており、「きょうだいや母方のおばらが私の遺言に従い、スーダンに残した全額を、アラー(神)のためジハードにささげるよう希望する」と記している。

 今回公開された文書からはこの他にも、ビンラディン容疑者の副官らと「イラク聖戦アルカイダ組織(AQI)」との亀裂が深まっていたことや、2001年9月11日の米同時多発テロから10年という節目に世界規模のメディアキャンペーンを計画していたことも明らかになっている。(c)AFP