■啓発活動も実施

 同団体の事務局長を務めるパンクラス・フェーグ(Pancrace Fegue)氏によると、「まず若者25人を採用し、総合的な訓練を行った」という。この25人がリーダーとなり、他のメンバーを育成していく。

 この初代メンバーだけですでに数千もの敷石を製造し、そのリサイクル資材は同国ハンドボール連盟の施設の改修に利用された。

 またミラ氏の団体は昨年11月、ヤウンデ(Yaounde)の2つの学校を訪れ、啓発活動として児童生徒らに地元地域でのプラスチックごみ拾いを呼び掛けた。すると子どもたちはわずか1週間で、3トンものプラごみを回収したという。

 ただ、プラスチックなら何でもリサイクルできるわけではない。例えば塩素を含有するものなど、除外しなければならないものもある。従って作業はまず、再利用可能なプラスチックだけをより分けて集めるところから始まる。

 フェーグ事務局長の話では、コンクリート平板の製造では「プラスチックが結合剤の役目を果たし、セメントの代わりになる」という。

 集めたプラスチックはたき火の上に載せた大型タンクの中で溶かしていく。溶けたプラスチックに砂を加え、溶液がまだ熱いうちに型に流し込む。

 プロジェクトの技術部長によると、水を加える必要はなく、砂とセメントで作ったコンクリート平板は固まるのに24時間かかるのに対し、プラスチックごみ再生品は室温で15分以内に固まるという。

 利点はこれだけにとどまらない。「われわれの敷石の方が安いんです」と同技術部長は話している。5センチの厚みで1平方メートル当たりの敷石を用意する場合、一般資材なら5000CFAフラン(約940円)かかるところ、再生資材なら3500CFAフラン(約660円)で済む。防水性も高く、湿地で使えるのはもちろん、浄化槽を作ることさえ可能だ。

 さらにミラ氏には、このプロジェクトが路上生活を強いられている子どもたちの社会復帰のきっかけになればという思いもある。活動に参加している子どもの一人は、「このプロジェクトのおかげで、ぼくの暮らしは良くなっていくと思う」と話している。(c)AFP/Reinnier KAZE