【2月29日 AFP】(更新)北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は29日、同国で1月から身柄を拘束されている米国人大学生が、北朝鮮の政治スローガンが記された掲示物を盗んだことを認めたと報じた。窃盗は米教会関係者の指示で行い、大学内の秘密クラブにも推奨されたとしている。

 この大学生は、米バージニア大学(University of Virginia)に通うオットー・フレデリック・ワームビア(Otto Frederick Warmbier)氏(21)。1月にツアー旅行で北朝鮮を訪問し、出国間際に当局に身柄を拘束された。

 KCNAによると、ワームビア氏は29日に平壌(Pyongyang)市内で北朝鮮メディアと外国人記者らの前で「記者会見」する機会を与えられた。その冒頭で同氏は、ツアー旅行で宿泊した平壌市内のホテルのスタッフ専用エリアから、政治スローガンの書かれた掲示物を取り外したと告白したという。

 米CNNテレビが報じた動画には、むせび泣くワームビア氏が「人生で最悪の過ち」を犯したと述べ、解放を訴える姿が映っている。

 KCNAによればワームビア氏は、フレンドシップ合同メソジスト教会(Friendship United Methodist Church)の関係者から政治スローガンが掲示された物を盗み出すよう指示されたと説明している。この教会関係者はワームビア氏の友人の母親で、「戦利品」として政治スローガンを持ち帰れば1万ドル(約110万円)相当の中古車を譲ると約束したという。

「この任務の目的は、北朝鮮国民のやる気と労働意欲をそぐことだった。非常にばかげた目的だった」とワームビア氏は述べたとされる。同氏が持ち出したスローガンは、北朝鮮の人々に「祖国の体制を愛せよ」と促す内容だったという。(c)AFP