【2月28日 AFP】メキシコ前大統領のフェリペ・カルデロン(Felipe Calderon)氏が27日、発言の中で米大統領選について触れ、共和党の指名候補争いに出馬しているドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を、ナチス・ドイツ(Nazi)の独裁者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)と比較し、人種差別主義者(レイシスト)だと非難した。

 メキシコの保守政党、国民行動党(PAN)に所属しているカルデロン前大統領はメキシコ市(Mexico City)での催しの後、記者団に対し、米共和党の指名候補争いでのトランプ氏の台頭は、世界の反米感情をあおっていると語った。

 トランプ氏はカルデロン氏自身と同じ保守派だが、カルデロン氏はトランプ氏の移民受け入れ反対の主張は、すべての移民に対するものではなく「自分と色の違う移民について言っている。いわば、レイシストだ」と述べ、さらに「ヒトラーが彼の時代にそうしたように」社会の恐怖に付け入っていると語った。

 またカルデロン氏は、トランプ氏が「米国を、われわれ全員が拒み、嫌うような隣国へ変えてしまおうとしている」と警告した。

 3145キロにわたる国境で米国と接しているメキシコは、米国にとってカナダ、中国に次ぐ第3の貿易相手国でもある。だが過去にトランプ氏は、メキシコが国境を越えて性犯罪者や殺人犯を送り込んでくると述べ、さらに移民を米国へ入れさせないために巨大な壁を建設し、その資金をメキシコに払わせると述べ、メキシコを激怒させた経緯がある。(c)AFP