【2月27日 AFP】30年前にイスラエル人入植者を殺害したとして有罪判決を受けた後に逃亡し、イスラエルが行方を追っていたパレスチナ人の男の遺体が26日、ブルガリア国内で発見された。ブルガリアの警察とパレスチナ自治政府が発表した。

 警察によると、オマル・ナエフ・ザイド(Omar Nayef Zayed)容疑者(51)の遺体は、ブルガリアの首都ソフィア(Sofia)にあるパレスチナ大使館の中庭で発見された。現地のラジオは、同容疑者は建物の4階から転落したと伝えた。

 またパレスチナの公式な通信社WAFAがパレスチナ自治政府高官の話として伝えたところによると、同容疑者は胴体に重傷を負っており、救急隊が到着する前に死亡した。

 ナエフ容疑者が所属していたパレスチナ解放人民戦線(PFLP)は、同容疑者の家族が、彼の死は「暗殺」であると話しているとの声明を発表した。声明はまた、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)ジェニン(Jenin)出身の同容疑者は、2か月前にソフィアのパレスチナ大使館に避難し、「脅迫を受けていた」という。

 ナエフ容疑者は1986年に殺人罪で有罪判決を受けたが、90年にベツレヘム(Bethlehem)の病院を訪れた際に逃走。94年にブルガリアへ逃亡して現地の女性と結婚し3人の子どもをもうけていた。

 ブルガリア内務省によると、同国政府は昨年、同容疑者のイスラエルへの身柄引き渡し要求を精査することに合意し、12月14日に審問を予定していたものの、同容疑者が自宅に不在だったことから延期された。

 WAFAによると、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長は、特別委員会を設置し、ナエフ容疑者の死について調査を行うことを発表した。(c)AFP