【2月26日 AFP】世界保健機関(WHO)は25日、ジカウイルスに感染しても母親は赤ちゃんへの授乳を継続すべきとの考えを明らかにした。現在のところ、母乳による感染リスクが確認されていないためだという。

 WHOは、ウイルス感染が拡大している各国当局に対する暫定勧告の中で、「これまで明らかになった証拠を踏まえると、授乳が乳児と母親に与える恩恵は、授乳によるジカウイルスの感染リスクを上回っている」と述べた。

 WHOによると、これまでに感染した母親2人の母乳からウイルスが検出されているが、「ジカウイルスが授乳を通じて乳児に感染したとする報告は、現在のところ存在しない」という。

 3月には、これまでに得られた情報を再精査して、勧告内容の見直しと更新が行われる予定。

 WHOのマーガレット・チャン(Margaret Chan)事務局長は24日、ウイルスの根絶には困難が伴うことが予想されるとの見解を示していた。世界46か国でジカウイルスの感染が報告されていること、さらにはウイルスを媒介するネッタイシマカは130か国でみられることなどに触れ、ウイルスの感染が広範囲に拡大する恐れがあると警鐘を鳴らしている。(c)AFP