五輪でプロ全面解禁か、国際ボクシング協会が提言
このニュースをシェア
【2月25日 AFP】国際ボクシング協会(AIBA)は、今夏のリオデジャネイロ五輪で、プロボクサーの出場を全面的に解禁する案を検討している。
モハメド・アリ(Muhammad Ali)氏、ジョージ・フォアマン(George Foreman) 氏、レノックス・ルイス(Lennox Lewis)氏らが、五輪の金メダルをプロキャリアへの足掛かりにしてきた一方で、ボクシング界では、以前からアマチュアとプロに明確な線引きがされてきた。
しかしAIBAの呉経国(Ching-Kuo Wu、ウー・チンクオ)会長は、すでに複数の世界王座認定団体が存在し「アルファベットだらけ」になっているプロボクシングの世界で、同団体の存在感を増したいとしている。
呉会長は24日、英マンチェスター(Manchester)で行われたAIBAの会合の中で、すでにプロ選手の五輪出場を認めている、テニスなどの競技にならいたいと話した。
「五輪には最高のボクサーに出場してほしい」
「五輪に最高の選手を出場させるのが、国際オリンピック委員会(IOC)の方針であるはずだ。国際的な競技連盟を見渡しても、AIBAはおそらく、五輪にプロ選手を出場させていない唯一の団体だ」
「われわれはすでに、APB(AIBAプロボクシング)やWSB(ワールド・シリーズ・オブ・ボクシング)といった団体を立ち上げ、五輪に出場させている。それをさらに進めたい」
2013年に決まった新ルールでは、プロキャリア15戦未満で、APBと数年間の契約を結んでいる場合のみ、プロ選手も五輪に出場できると定められていた。
しかし、呉会長の提案が実現するとすれば、アマチュアとプロの境界線はなくなる。
「私が2006年に(AIBAの)会長職を引き継いだとき、アマチュアの定義はあまり適当でないと明言した。現在の五輪競技を見たとき、本当のアマチュアはどこにいる?」
リオ五輪に向けた代表選考は、すでに各国で始まっているものの、呉会長は、大会までに全てのプロ選手の出場が認められる可能性もあるとしている。
これがAIBAの理事会で正式に承認されれば、各国代表の選択肢は広がり、1996年のアトランタ大会で、不利な判定により銅メダルに終わったとされるフロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.)氏にも、リベンジのチャンスがめぐってくるかもしれない。(c)AFP