【2月25日 AFP】ベルギーの警察当局は24日、フランスとの国境で警官約300人などを動員する大規模な車両検問を実施し、アフガニスタン人を中心とした移民80人を追い返した。ベルギーは前日、仏北部カレー(Calais)にある大規模な難民キャンプからの移民流入を阻止するため、入国審査を再導入していた。

 検問にはヘリコプター1機、騎馬警官隊も動員され、フランスとの国境沿いのデパンネ(De Panne)周辺の国境検問所3か所や周辺の砂丘の監視に当たった。

 警察当局は記者会見で、過去24時間で主にアフガニスタン人からなる80人の入国を阻止したと発表。このほかにベルギー内でシリア人、イラン人、アフガニスタン人の計25人を制止し、事情聴取した上で直ちに対フランス国境に車で送り返したという。

 英仏海峡トンネル(Channel Tunnel)鉄道のフランス側の入り口付近にある港湾都市カレーにある難民キャンプ、通称「ジャングル(Jungle)」をめぐっては、フランスの裁判所が23日、その半分の取り壊しに関する判決を延期した。

 だがベルギーのヤン・ヤンボン(Jan Jambon)内相は同日、フランスとの国境で入国審査を再導入すると発表。欧州連合(EU)では、旅券なしの越境を認めるシェンゲン協定(Schengen Agreement)に参加しているにもかかわらず、入国審査を復活させる国が相次いでおり、ベルギーもこの動きに追従する形となった。

 ヤンボン内相は、現在カレーにいる移民の大半は英国行きを望んでいたが、それがかなわないため、ゼーブルッヘ(Zeebrugge)港を経由した通過ルートとしてベルギーを利用しようとしているとの見方を示した。

 ヤンボン氏は「カレーのようなキャンプがベルギーにできるのは何としても避けたい。これは秩序の維持に関わる問題だ」と強調。当局はゼーブルッヘ港およびベルギー沿岸に対するいかなる経済的打撃も回避したい考えだとも述べた。(c)AFP/Philippe SIUBERSKI