【2月24日 AFP】日本サッカー協会(JFA)は、2020年東京五輪のサッカー男女日本代表が、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の事故後、除染作業の拠点となっている福島県楢葉町のトレーニングセンター「Jヴィレッジ(J-Village)」で事前合宿を行うことを明らかにした。

 JFAの丸山高人(Takato Maruyama)コミュニケーション部長は、AFPの取材に対し、「東京五輪の男女の代表の強化の拠点として、Jヴィレッジを利用するということだ」とコメントした。

「大仁(邦彌、Kuniya Daini)会長、その他の役員がこういったことをやりたということは言っていたが、具体的に組織として機関決定をしたのが先般の理事会だったので、そこを経て、Jヴィレッジの会議で伝えた。それが結果としてこういう時期になった」

 2011年に福島県で原発事故が起きてから、Jヴィレッジは除染作業の拠点となり、防護服やマスクを着用して出入りする作業員のため、ヘリコプターの発着場、医療施設、宿泊所などが設置された。

 昨年9月に避難指示が解除された楢葉町で、Jヴィレッジは、2018年7月に一部業務の再開を目指している。

 丸山氏は、「整備が必要なのはもちろんだが、われわれもそういう日程だと聞いている」と話している。

 東日本大震災で津波の被害に遭った東北地方でも、東京五輪で地元の会場を使用してほしいとの声があり、JFAの上田栄治(Eiji Ueda)理事は、「Jヴィレッジは、今までの日本サッカーにとって大事な場所だった。福島の復興に果たす役割も大きい」とコメントした。

 Jヴィレッジでの合宿を復興のシンボルとする一方で、JFAは安全性が最優先だとしており、同施設が2018年に再オープン予定であることについて、丸山氏は「われわれの方でコメントすることはないが、当然ながら、人間が行ってはいけない場所であれば、そんなところでサッカーはできない。基本前提となっているのは、除染作業やそういったことが全て完了した状態。施設がオープンするということはそういうことだ」と強調した。

「そこまでに除染が終わっているのかとか、放射能の影響があるのかどうかということは、われわれには分からない」

(c)AFP