【2月22日 AFP】ロシア南部チェチェン(Chechnya)共和国の指導者で、親ロシア派であるラムザン・カディロフ(Ramzan Kadyrov)首長が21日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を支持するTシャツを見せた同国出身のサッカー選手に対し、自身が名誉会長を務めるチェチェンのクラブへの移籍オファーを出した。

 ロシア・プレミアリーグのロコモティフ・モスクワ(Lokomotiv Moscow)に所属するドミトリ・タラソフ(Dmitry Tarasov)は、トルコで行われた18日の試合後、軍帽をかぶったプーチン大統領とスローガンがプリントされたTシャツを見せてロシアのクリミア(Crimea)併合を支持しており、この行動が物議を醸している。

 欧州サッカー連盟(UEFA)はタラソフへの処分を検討。ロコモティフはすでにタラソフへ高額の罰金処分を科している。

 ところが、プーチン大統領に忠誠を誓い、自身も似たような「プーチンTシャツ」を身に着けたことのあるカディロフ首長は、インスタグラムに「テレク・グロンジー(Terek Grozny)は、この選手を買う用意がある」と書き込んだ。

「ドミトリ・タラソフは真の愛国者だ」とつづったカディロフ首長はさらに、移籍は無理だったとしても、罰金はテレク・グロンジーが肩代わりすると申し出ている。

 カディロフ首長は、「あれが彼の立場、自身の大統領や父祖の地に対する彼の姿勢だ。ドミトリは、本物の男と呼ぶにふさわしいことをした!」と同選手をたたえている。

 UEFAは、政治的スローガンの入った衣服の着用は不適切な行為だとして、タラソフへの処分を検討している。3月には公聴会が開かれる予定で、長期の出場停止処分が科される可能性もある。

 タラソフの行動は、特にそれが試合に敗れた直後の行動だったこともあって、ロシア国内の多くのスポーツ選手や政治家から批判されている。

 一方、服装の奔放さで知られるカディロフ首長は、「誰も私たちには追いつけない」という言葉と馬にまたがるプーチン大統領や、「勝利!」の文字とともに柔道着姿のプーチン大統領がプリントされたTシャツを着て公の場に姿を見せたことがある。

 また、カディロフ首長はテレク・グロンジーのほかに「Leader-63」というアマチュアチームを所有している。このチームのユニホームは、プーチン大統領の顔が胸にプリントされたデザインとなっている。(c)AFP