【2月19日 AFP】プロボクサーのマニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)は19日、自身の名声や多額のスポンサー契約を失うことになった同性愛者への暴言について、自分には神がついているとして、撤回することを拒否した。

 前人未到の8階級制覇を成し遂げたパッキャオは、フィリピンの地元ジェネラルサントス(General Santos)で臨んだ早朝トレーニングで笑顔をみせながらジョークを飛ばすと、報道陣に対して批判に屈するつもりは毛頭ないと話した。

「私の言うことは正しい。私が話していることは真実であり、聖書の言葉だ」

 ボクサーとして晩年を迎えつつある中、カトリックからプロテスタントに改宗したパッキャオは、今週はじめに同性愛者は「動物以下だ」と発言して世界中で論議を巻き起こした。

 パッキャオは騒ぎの直後にソーシャルメディアで謝罪したものの、主要スポンサーである米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)は「嫌悪すべき」発言と非難し、即座に同選手との契約を打ち切った。

 4月に行われるティモシー・ブラッドリー(Timothy Bradley、米国)との試合で現役を引退し、政治家としてのキャリアに専念すると表明しているパッキャオはこの日、自身の謝罪について正当性を訴えた。

「私の間違いは人と動物を比較したことだけで、話が真実であることは分かっているはず。私は聖書が述べていることを話しているだけだ。神を信じるなら、神の言葉を敬うべきだ」

 パッキャオは、今回の騒動でトレーニングに影響が出たり士気が下がったりすることはないと話し、「私は幸せだ。神が味方してくださるので、常に幸せを感じている」と強調した。

 同日のトレーニングではパッキャオの広報担当者が報道陣に対し、今回の騒動に関する質問は受け付けないと話していた。

 しかしながら、パッキャオは信仰心が揺るぎないことを自ら進んで示そうとしており、騒動に関する質問にも上機嫌に対応していた。(c)AFP