【2月19日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するマノー(Manor Racing)は18日、インドネシア出身のリオ・ハリアント(Rio Haryanto)と1年契約を結んだと発表した。F1でインドネシア人ドライバーが誕生するのは史上初となった。

 23歳のハリアントは、同じ若手ドライバーとして今月初旬にマノーのシートを確保したドイツ出身のパスカル・ウェーレイン(Pascal Wehrlein)の同僚として、3月に行われる今季開幕戦のオーストラリアGP(Australian Grand Prix 2016)でデビュー戦を飾ることになった。

 ハリアントは間もなくスペインのバルセロナ(Barcelona)に出発し、メルセデス(Mercedes)製のエンジンを導入したばかりのマノーの新型マシン「MRT05」のテスト走行に臨む。

 ジャカルタ(Jakarta)で行われた発表の席で、ハリアントは報道陣に対し、「こんなことが起こるなんて、まだ信じられない」とコメントした。

「最高のニュースだ。F1ドライバーとして全力を尽くしていくよ」

 マノーは声明で、ハリアントがF1のトライアルで示した能力や、2015年のGP2シリーズ(GP2 Series)で3度の優勝を挙げるなど、総合4位に入った実績に感銘を受けたことを述べている。

 ハリアントは自身のスタッフ陣とともに、F1参戦に必要な財政支援を得ることに苦労していたマノーとの数か月間にわたる長い交渉にかかりきりとなっていたが、インドネシア政府をはじめ国営石油会社であり自身の主要スポンサーであるプルタミナ(Pertamina)からの資金を確保すると、状況は打開された。

 ハリアントのマネジャーを務めるピアース・ハニセット(Piers Hunnisett)氏は、ほかのドライバー21人と自動車レース最高峰の舞台で大きな経験を積むことになったハリアントにとって、ここまでの時間は「ストレスの多い」ものだったと明かした。

 ハニセット氏はまた、ドイツと英国が誇る王者2人を引き合いに、「リオがセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)やルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)と並ぶ姿をみるのは、素晴らしいことだ」と喜んだ。

「彼はいつか世界王者になる可能性を持っている」と話すハニセット氏は、ハリアントが初めてのF1シーズンで毎レースに臨み、インドネシア企業のスポンサー誘致をさらに増やすと確信している。(c)AFP