【2月18日 AFP】イスラエルの考古学庁(IAA)は17日、7000年前から人間が定住する集落がエルサレム(Jerusalem)に存在していた証拠となる初の遺跡が発見されたと発表した。

 同庁によると、イスラエルに併合された東エルサレムのシュアファト(Shuafat)地区近郊の発掘調査で、金石併用時代の特徴を示す、壁と床の一部が原型を保っている家屋2棟と「複数の陶製容器、フリント石器と、玄武岩製の鉢1個」が発見されたという。遺跡は、同地区での道路工事中に発見された。

 考古学庁先史学部門を統括するアムノン・バルジライ(Amnon Barzilai)氏によると、金石併用時代の集落跡はエルサレムの外で発見されていたが、今回のシュアファトの遺跡が見つかるまでは、エルサレム市内では「断片的な」遺物が出土していただけだったという。

「われわれは今回の発掘調査で、村落、定着した村落の遺跡を発見した」とバルジライ氏は述べた。

 考古学庁の発掘調査チームを率いたローニット・ルプー(Ronit Lupu)氏によると、金石併用時代には、人間は「まだ石器を使用していたが、高度な陶器や、銅器を初めて製作し始め」、「経済活動が行われていた、定着した集落」を形成していたという。

 死海(Dead Sea)地域と地中海(Mediterranean)沿岸を結ぶ主要経路だったエルサレムに、金石併用時代の集落があったことを示す確たる証拠が存在しないことは、研究者らの間で長年の謎とされていた。現在のイスラエルやヨルダンの他の場所では、金石併用時代の集落が発見されていた。

 ルプー氏にとって今回の成果は、エルサレムで長年続けられてきた金石併用時代の集落探しに終わりを告げるものとなった。

「エルサレムでは長年、それは『どこかにあるのは分かっているが、決して見つからない』と考えられてきた。だがここで、われわれはそれを発見したのだ」とルプー氏は話した。(c)AFP